イベント・レポート

2003年度リコー将棋部冬合宿

年月日:2003年12月6日〜7日

場所:神奈川県三浦市「マホロバ・マインズ三浦」

リポータ:星出 明 e-mail : Akira_Hoshide@tokyo.ricoh.co.jp

【序章】

 「今回のターゲットはマグロ名人戦じゃあぁぁぁ!」
 野山主将の一声で今回の合宿の趣旨が決まる。マグロ名人戦・・・その名の通り賞品がマグロ。一度菊田さんに「もうマグロは見たくない!」というくらいたらふくご馳走になったことがある。そうと決まれば話が早い。宿も必然的に会場の近くのマホロバマインズ三浦に決定した。今回初めてということで、西田さんと下見にも行ってきて準備万端。前回の箱根名人戦とのリンクが大盛況を呼んだのに気を良くして今回も多数参加を期待していたが、アマ王将戦で洋次君等の強豪が不参加、牧野さん(入社以来初不参加!)等常連さんの急用による相次ぐ不参加で人数は思うように伸びなかった。
 そんな中で、一年間合宿委員としてパートナーを務めていただいた今井さんの勇退。後進を水山君に託す。とりあえず見習い合宿委員といったところか?今井さん、改めてお疲れ様でした。

【当日朝】

 前日ボーナス祝いの飲み会に捕まり終電ギリギリまで飲んでいたが、朝早起きして準備をしていざ出発。交通の便は割と良く、横浜から京急線で一本だ。しかし大荷物でボロボロの模造紙の筒が顔を出している姿はやはり目立つ。冷ややかな視線を感じつつも無事到着。駅はいろんな出店が開かれていて大変にぎやかだ。割と良さげな\2,000のビジネスシューズにちょっと惹かれたが荷物になるのでやめておく。駅からもでも見えるマホロバマインズを目指し、歩を進めたところで食事場所を模索中の谷川さん、小林さん、徳増さん、小川さんのグループと合流。私もご一緒させていただいて昼間から豪勢なネギトロ丼をたいらげた。

【マホロバ別館】

 さて、腹ごしらえも済み、対局場のある別館に到着。玄関で安宅さんがお出迎え。廊下を渡って将棋会場に到着し、対戦表を貼ったりの下準備が始まる。参加者もパラパラと集まって、形になってくる。名古屋からお越しいただいた三人娘(ん?)足立さん、室田さん、山口さんもお目見え。そんな時に予期せぬトラブル発生。佐藤さんの名前を登録ミスしていた!大変失礼いたしました。佐藤さんご本人の希望により、今回はAクラスで気楽に勝ちまくってもらいたかった沙恵ちゃんをSクラスに繰り上げることにした。西田さんのご好意で会場前で案内役をしていただき、最後の一人も無事到着。ようやく開会式にこぎつけた。

【開会式】

 いつものように野山主将のご挨拶と2003年度後半の将棋部ニュースの発表。菊田さんの海外赴任という寂しいニュースや社団戦優勝等おめでたいニュースもあったが、やはり特筆すべきはあの人の赤旗名人戦静岡代表だろう。そして、私の方から事務連絡。今回は予算の都合上何かにつけて近くのコンビニで買い物をしてくださいとお知らせしたため、後に「コンビニの回し者か!?」とまで言われてしまった(^^;。そしていよいよ対局開始。

【Sクラス】

 一回戦で沙恵ちゃんが谷川さんを破る大金星!(棋譜はこちら。)どこまで強くなるんでしょうか?この娘は。谷川さんはこの後中村、早水両女流プロと当たり、「今日は女性ばっかりだ」と嘆いておられた。でも、私が対局を終えると常に谷川さんが次の対戦を考えてくれてるんですよね。世話役は感想戦も早めに切り上げないとダメですね。
 最終戦で順当に野山主将と屋敷先生の全勝対決となったが、がっぷり四つの矢倉戦で野山主将が快勝!屋敷先生が負けたのはいつ以来か?

 影の実力者宮田君も強いところをなぎ倒して見事3位。初参加の土橋君(高校生・赤旗県代表)は2−2と少し不満な成績だったか?赤旗名人戦静岡代表の方も思うように星が伸びず、「どうも合宿になるとダメだ。」とおっしゃっていた。この後のマグロ名人戦でW辺K弥さんに快勝していることからやはりこの方にとって合宿には魔物が住んでいるのでしょうね。この方を緒戦で中座流の最新型で下した早水プロはこの後現役奨励会員の伊藤君を破るなど実力を発揮。女流名人戦でもA級に復帰し、絶好調だ。先日中井女流三冠がA級棋士を破ったのは驚いたが、女流棋士のレベルは急速に上がってきているのかもしれない。私個人的には初対戦の室井さんの恐るべき強さに感動し、リコー将棋部の層の厚さを改めて感じた。

【Aクラス】

 人数が奇数になってしまったため、時間の都合上空き番ができてしまい、3局しか指せなかった方は残念でした。リーグ戦の方は佐藤さんと室田さんが快調に飛ばし、全勝対決を制した室田さんの優勝。(棋譜はこちら。)まだ中学生ながら部員からも美少女の呼び声が高いだけにスター性は十分だ。その他、女性陣は上位5名のうち4名を占めており、活躍が目立った。初参加の山口さんもその一人。好敵手の足立さんと共に大活躍でした。常連の脇坂さんもこの位置からの3位はご立派です。女性陣の影に隠れて男性陣ではこれまた常連の宮崎さんが安定した実力を発揮。今回も合宿を盛り上げていただいた。

【夕食会】

 対局を終え、しばし休憩の後夕食の準備へ。風呂に行かれた方もいるようだが、やや離れた場所にあって一旦外に出なければならず、冬の寒い日は少々堪える。さて今回は宴会場の予約が取れず、会議室での弁当による食事会となった。飲み物がなかなか届かずなかなか乾杯が始められなかったが、運ぶ人も本館が離れているため行き来が大変な様子だ。宮崎さんに乾杯の音頭をお願いし、いざ「乾杯〜!」 弁当は私が事前に問い合わせたところ、気になるボリュームの方が「少ないです」と即答されたので気にしていたが、いざ蓋を開けてみると私個人的にはまんざらでもなかった。ただ三浦ということで美味しいお魚が食べれると思っていた方はやや期待外れか?食べ盛りの伊藤君とおかわり(セルフサービス)3杯目で鉢合わせし、気をきかせて私の感覚で装ってあげたら「多いです。減らして下さい。」と一蹴された(^^;。
 宴もたけなわとなり、この度定年退職庭野さんに記念品の贈呈。ご挨拶では、「本当はあと1年あるが、退職金の計算が面倒くさくなって・・・」と笑いを誘う。記念品の中身は公表しなかったが、こういう物騒なご時世だからということで防犯カメラといつまでも健康でということでツボ押し器を贈らせていただいた。特にツボ押し器に関しては「最近ちょうど腰が悪くなってきたところなんだよ。」と喜んでいただき、こちらとしても嬉しかった。

【クイズ大会】

 その後、今回も用意してまいりました、屋敷先生クイ〜ズ!これだけを楽しみに合宿に参加している人も・・・さすがにいないか(^^;。最初はプロに対して失礼ではないかと恐る恐る始めた企画も今回3回目。今年度の将棋年鑑の棋士アンケートでは、合宿でイジられるのを警戒してか(笑)身長、体重の欄しか回答がなく、ネタを集めるのに苦労した。

Q1. 屋敷先生は結婚四年目にして、一度もケンカをしたことがない。

 将棋世界11月号のインタビューでは確かに夫婦揃って「喧嘩はしたことない。」とおっしゃってたのに、出てきた答えは「×」。
 予期せぬ答えに焦る司会者(私)。何でもあれは雑誌用のサービスだったとか。これだからプロ棋士は信用できませんな(笑)。

Q2. 屋敷家では奥さんが財布を握っている。

 これも将棋世界より。答えは「×」。何とも羨ましいですなあ・・・

Q3. 現在(ここ一ヶ月)は全く競艇に行っていない。

 これまた将棋世界より。答えは「×」。そんなに簡単に辞められる訳ないですよね。家から自転車で行ける距離だとか。

Q4. 屋敷先生が八段昇段を決めた一局は竜王戦の行方六段戦である。

 いきなり真面目な問題。答えは「×」。王将戦の対野月五段戦でした。行方戦は一つ前。

Q5. 屋敷先生が四段に昇段したときの三段リーグで、次点は郷田九段であった。

 答えは「○」。ちなみに同時昇段は小倉六段。その他のメンバーとして、畠山兄弟やアマチュアで活躍の古作さん、小泉有明さん、鈴木純一さんらが在籍していた。

Q6. 屋敷先生の順位戦通算成績は7割を超える

 9勝1敗で1期でC2を抜け、その後は8−2:4回(!)、7−3:6回、6−4:2回、5−5:1回、今期の6−0を含めて順位戦通算106勝40敗 勝率.726で正解は「○」。
 これだけの成績を収めてC1を抜けられないなんて、ツキがないと言うか何と言うか・・・。
 今期こそは・・・という話は敢えてやめておきましょう。(この二日後に白星を一つ重ね7連勝!あと一歩!)

Q7. 屋敷先生は連盟野球チーム「KINGS」のメンバーだが、右投げ左打である。

 正解は「×」。右投げ右打ちでした。KINGSホームページによれば「体格は小柄ながらミートにかけてはチーム1の技術。チャンスに強いバッティングは曲者と呼ぶにふさわしく、そういえば本職の将棋でも「忍者屋敷」のニックネームがある。」

 これらの難問珍問を次々にクリアし、見事第3代クイズ王に選ばれたのは佐藤さん。自身曰く「楽勝でした。全て常識問題です!」と自信満々の口振り。恐れ入りました。次回は屋敷先生もそろそろネタが尽きてきたので「女流プロクイズ」を予定しております。乞うご期待。

【夜の部】

 ここのところ恒例となってきたリレー将棋。持ち時間5分の秒読み30秒で、3手交代。我がチームは前島さんと土肥さん。一回戦シードということで短い時間で特訓を行う。その最中、所用で観戦中だった赤旗名人戦静岡代表さんが、ワイワイ騒ぎながら対局中の小林さんの元へツカツカと歩み寄りボソっと「小林さん、やたらうるさいですよ。」皆のツッコむ言葉は決まっている。「あんたに言われたくない!」この二人の因縁(?)も合宿の名物となりそうだ。
 そんなこんなで勝ち上がってきたのが屋敷先生と中村さんにベテラン樋口さんという錚々たるメンバーで、「合宿委員、本当に厳選に抽選したのか!?(あっ、私か・・・)」と疑いたくなる。対局の方は相振り飛車となり、感覚のわからない私が中盤で悪手を指し、中村プロに機敏に仕掛けられて見るも無残に圧敗を喫してしまった。本当にすみませんでした。
 対局後はその二人に二枚落ちの宿敵宮崎さんを加え、駒落ち三面指しで散々イジめられた。
 宮崎さんとの対局を早々と終え、前島さんとの感想戦がてら是安さんを加え飛車落ち定跡の研究。よく勉強しておられます。その横で土肥さんに角落ちで手も足も出ずに完敗。
 後にアンケートに書かれてあったのだが、このとき対局を誘いにくくて手持ちぶたさにしておられる人がいたとか。今度からは全体に気を配らないとですね。
 さて、リレー将棋の方はあんなに強かったプロチームが次で足立さんチームに討ち取られ、結局優勝は野山主将・谷川さんの黄金コンビに大嶋さん・安住さんを加えたチームの優勝となった。野山主将はこれで二冠。さすがです。

【深夜の部】

 対局場は今までの合宿場とは違って夜12:00までしか使用できないことになっているが時間の経つのは早い。あっという間にタイムリミットが来てしまった。風呂も12:00までなので結局入れず終い。今までの合宿場と比べるとちょっと違和感を感じる。
 12:00以降のために将棋部屋を一部屋用意しておいた。部屋の風呂に入って一休みした後将棋部屋に向かう。中に入ると土肥さんVS西田さん、野山主将VS早水さん、足立さんVS藤原さんが熱戦を展開中。もっと賑やかと思ったのだが、やはり部屋に一度入ってしまうと出にくくなるんでしょうか?いつも夜通し熱戦を展開していた樋口さんも相手の槇さんが不参加のため見当たらない。少し寂しいですがたまにはのんびりと骨休みもいいですかね(あるいは部屋で指しておられた?)?途中若い娘連中がキャーキャー言いながら入ってきたが「あ!明日はマグロ大会だ!早く寝なきゃ!」と言ってキャーキャー笑いながらすぐに出ていった。残念がるオヤジたち・・・(^^;。しばらくして2時頃にはお開き。

【2日目】

 朝食はバイキング!これだけを楽しみに合宿に来てる人は・・・私だけか(^^;太田さん、藤原さんと相席。太田さんは人のことをとやかく言う割には自分もよく食べる。美味しそうな物ばかりでついつい沢山取りすぎてしまうのだが、朝早くからそんなに食べれるものでもない。第2Rでやめておく。
 賞品陳列等の準備のために早めに対局場に入るとすでに熱心に何人かが対局中であった。

【表彰式】

 野山さんの司会で表彰式が始まる。S級優勝は本人ということで、すでに賞品の書籍を手にしていた。さすが抜かりがない。人数が少ないため過半数の方に賞品が行き渡り、二日間の合宿もお開きとなった。多くの方はマグロ名人戦に参加、残って指す人もすぐにいなくなり、水山君と共に静まり返った対局場を後にした。

【追記】

 今回アンケートを実施させていただいたが、いろいろな意見が聞け、元気づけられたり反省もさせらた。その中で、どなたかのこの一言が今回の合宿を物語っていた。
 「健康的すぎたかな?将棋部はもっとドロドロした感じ?(笑)」


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