第87回 職域団体対抗将棋大会
年月日:2004年10月10日(日)
場所:千代田区「日本武道館」
リポータ:吉中 勝則私はリコー将棋部の職団戦担当。最近、レポートをサボってばかりいるが、久々にキーボードをたたく。
リコーチームは全部で七チーム。友軍の東京リコーを合わせると八チームになる。この出場メンバーを集めるのにいつも苦労する。今年はとりわけ苦労した。職団戦がちょうど3連休の真ん中にあったため、家族サービスを優先せざるをえない将棋部員が多かったのだと思う。大会10日前には6名前後メンバーが不足していた。申し込みは8月に終わっているので、チーム数を6チームにする事は、1チーム分の参加費を捨てる事を意味する。それもやむなしと思いかけていたが、最近出場していない人にも電話をかけまくって出てもらって、ぎりぎり35名を確保して職団戦に臨んだ。
天気が良ければ、将棋よりもアウトドアスポーツを楽しみたいし、雨なら武道館まで来るのが億劫になる。当日朝は、前日来の台風の雨もやみ、曇天の「絶好の将棋日和」になった。
各チームの状況を確認して、自分のチーム、リコー3の席に座ると、大将に蒲田将棋クラブの元席主の海老沢さんが座っている。
「海老沢さん、これ何処のチームです?」と聞くと、
「前にも、リコーさんに同じ質問を受けたな。私はちゃんとジュポン化粧品の社員ですよ。」
緒戦の対戦相手はジュポン化粧品2だった。
良く見ると、副将以下も見たことがあるような顔が座っている。
鈴木貴幸、池田将、井之上利文。
対戦した相手が悪く、あっと言う間にチームは1-4で負け。チームはこの敗戦のショックから立ち直れず、続く慰安戦一回戦も1-4で負けてしまった。これで来期はB級降級必至。
自分の試合があっさり終わって、午後から他のチームの観戦に回る。リコーのチームで昼までに試合の終わったのは本戦2回戦負けのリコー6と、我がチームだけであった。現在の職団戦のシステムでは全体の半分のチームが昼までに試合が終わる。その事を考えると悪い成績でない。でも、肝心要のS級のリコー1の成績が芳しくない。緒戦のNEC1との対戦で負け。次のUFJ1戦で勝ったものの、午後の初戦、ジュポン化粧品1戦が予選を抜けられるかの正念場となっていた。組み合わせはこんなだった。リコー3のかたきをとって欲しい。
【リコー1】 【ジュポン1】 ホソカワ 渡辺 健弥 タケシュン 渡辺 徳之 うま君 桐山 隆 ヨウジ 嘉野 満 元主将 青柳 敏郎
対局を見ていて思ったのだが、リコーの強い人たちには玉の堅い将棋を指す人が少ない。振飛車党もほとんどいない。遡っても考えてみても、本格的振飛車党は藤森さんくらいか?これはリコーの伝統かもしれない。最近の自分の将棋は相振りやアナグマが圧倒的に多いのを考えるとえらい違いである。
と、思う間に
【リコー1】 【ジュポン1】 ホソカワ○ ×渡辺 健弥 タケシュン× ○渡辺 徳之 うま君× ○桐山 隆 ヨウジ○ ×嘉野 満 元主将× ○青柳 敏郎
の2-3で負けてしまった。これで2期連続の予選リーグ落ち。一回戦から2-3/5-0/2-3であった。どうも星の取り方が下手である。前は効率の良い勝ち方が多かったことを考えるとチームワーク力の低下を感じる。心配である。
リコー2はどうだったか?こちらは順調に勝ち、なんとA級決勝まで進んでしまった。決勝は富士通1との対戦。ここを突破すると何年かぶりのS級2チームである。対戦は以下のようになった。
【リコー2】 【富士通1】 自称Mrリコー 喜多 全好 軽い棋風の持ち主 島 達郎 桑山君 村中 俊彦 元アマチュアの星 中治 一郎 岩手の貴公子 出沢 浩樹
見ていると「元アマチュアの星」さんが升田石田相手の定跡で「にて指しにくし」と書いてあるような変化に果敢に飛び込んでいく。「これは勉強になりそうだ」と注目して見ていると、そのままつぶれてしまった。何か誤算があったのだろう。ここが勝てないようではチームに勝利の見込みはない。全体のスコアは...黙っておこう。
リコー全体の成績は以下のとおり。
【1軍】 S 細川 野山 山田 武田 馬上 2-3 5-0 2-3 【2軍】 A56 桑山 藤原 太田 牧野 谷川 4-1 4-1 4-1 3-2 4-1 0-5 準優勝 【3軍】 A31 宮田 浜下 坂下 長場 吉中 1-4 1-4 慰安戦1回戦進出 【4軍】 C17 庭野 伊藤 室井 西田 水山 2-3 4-1 1-4 慰安戦2回戦進出 【5軍】 D29 田中 竹島 樋口 竹中 平田 4-1 3-2 3-2 2-3 本戦ベスト8 【6軍】 E012 宮崎 須田 佐々木(猛) 小川 鈴木 5-0 2-3 本戦2回戦進出 【7軍】 E050 徳増 矢口 土肥 豊岡 2-3 5-0(不戦勝) 3-2 3-2 2-3 慰安戦準優勝 【東京リコー】 A 藤森 星出 名田 中原 勝又 3-2 3-2 4-0 1-4 本戦ベスト8進出
ここで一つ、気になるデータを示そう。将棋部のアナリスト、小川さんが指摘してくれた。下図は職団戦の参加チーム数推移である。
1996年秋をピークに急激にチーム数が減っている。これは、ちょうどインターネットが爆発的に普及した時期に一致する。企業がスポーツ/レクにお金を使わなくなったのもこの時期か?ただ、この間、社団戦の参加チーム数は増え続けているので、原因をこれだけでは説明できない。そう言えば、リコーの優勝が減ってきたのもこの頃だった気もする。果たして真因は?
日本将棋連盟も危機感を持っており、色々な施策を打ってきている。来年は参加費の値下げをしそうだ。昔の盛況を取り戻せることを心から祈りたい。