イベント・レポート

第17回全国障害者将棋大会

年月日:2004年9月20日

場所:大田区民会館 アプリコ

リポータ:中原 久志

星出が行けなくなり、代わりに引き受けた当初は正直気分が重かった。
8時40分位に蒲田駅に着いた時も、その気分は変わらなかった。
場所が判らなかったので少し迷ったが、山田さんと若い女性(その時は名前が判らなかった) の方に偶然に出会えて無事現地に到着することが出来た。

何もかも初めての経験だったが、準備に関しては多少の遅れは有ったものの、何とか10時過ぎ には先生方の挨拶がスタートした。
私と、佐藤さんの二人で3部の受付を担当することになった。
3部の参加人数は36名。
手話の必要な方、読み上げを必要としている方等最初にリストは頂いたが、上手く座席を移動 出来るのか、時間通りに終了できるのか等大変不安であった。

いよいよ大会のスタート。
大声で対戦カードを読み上げる。
こちらの不安とは裏腹に、実際に対戦する方はテキパキと移動する。
一緒に受付を担当した佐藤さんも飛車角のように縦横無尽に飛び回っている。
程なく1時間を経過。
最初の説明では1時間過ぎたら秒読みだと言っていたが、最後に残ったニ局が目の不自由な方 と、もう一局は付き添いの人が代わりに駒を動かしていたので流石に躊躇してしまった。

一局目が終って、いよいよニ局目がスタートした。
トイレの場所が遠かったことも有り、大声で呼んでも対戦相手が中々見つからない。
予定の時間より少し遅れて2局目がスタートした。
一緒に受付を担当した佐藤さんは相変わらずテキパキと仕事をこなしていく。
この頃には重い気分は完全にすっ飛んでしまった。
午後のスタートが1時なのに、12時30分を過ぎても何局か対局が残っている。
12時45分になって、残っている1局に秒読みをお願いした。
こちらの思いとは裏腹に、対局者は慣れたもので25秒位で指し進める。
(でも、目の不自由な方には秒読みは厳しいと思う)
いろいろなハンデが有りながら、みんな楽しそうに将棋を指している。
こと将棋を楽しむと言うことに関しては、健常者も障害を持った方も全く変わらないと思う。
勝った時の嬉しそうな顔、負けた時の悔しさ‥本当に皆将棋を心から楽しんでいる。

佐藤さんのアドバイスを受けながら、対戦カードを決めていく。
3回戦、4回戦と優勝に絡む組合わせは特に気を使う。
いよいよ最終の対局が終った。
優勝者、敢闘賞・健闘賞を貰った人、今回は残念だった人、みんな心から楽しそうに笑っている。
いろいろな方の総評やスピーチが始まった。
石橋女流プロの飾らないスピーチには思わず聞き入ってしまった。
たくさんの人がボランティアで応援に来ている。
いろいろな方の善意で成り立っている大会だとつくづく感じる。
特に私は3部を担当させて貰ったので、より人間臭さに出会えたのかも知れない。

全員で写真撮影。
最後の片付けを終えて、程なく全ての予定は無事終了。
さすがに疲れを感じたので、打ち上げは辞退させて貰った。
非常に充実した1日であったが、ボランティアの大変さが判った1日でもあった。
皆様、本当にお疲れ様でした。

終わり


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