2002年度リコー将棋部冬合宿
年月日:2002年12月14日〜15日
場所:神奈川県箱根「花月園」
正直今回の合宿は気分がノリノリというわけではなかった。というのも締め切り時点で参加者30数名、それから待てども待てども人数が増えない。以前もこういうことがあってそのときは合宿中止まで囁かれていたが、締め切り後に数合わせのように40数名にまで膨れ上がった。今回もある程度楽観していたが、あれよあれよと時間は過ぎ結局35名のまま当日を迎える。しかも屋敷先生が早指し戦の対局がついたため不参加。先生はこの棋戦に関しては前々回ベスト4、前回準優勝と来ているので今回こそ優勝してもらわなければリコー将棋部一同は許しませぬぞ!!
【9:30 新宿】
飲み仲間の大室さんと新宿で待ち合わせて小田急で小田原へ向かう。同じ飲み仲間の噂話等で盛り上がっていると窓の外には富士山が!快晴でくっきりと見える。やる気指数ちょっと回復。
【11:15 小田原駅】
小田急駅でトラップにハマり出口を間違えたものの何とか脱出。待ち合わせ場所付近で伊藤さん親子からご挨拶を受ける。こちらの親子もすっかりリコー合宿の顔となったみたい。駅の近くの中華屋で土肥さん、野山主将と合流。主将は早くも気合満点でチャーハンをたいらげた。
【11:45 バス乗り場】
待ち合わせ時刻、バスにはすでに毎度おなじみの顔ぶれがズラリ。約2名若いのが5〜10分遅刻した他はこれといったトラブルもなく、花月園に向け出発!早水さんが一番前に乗り、シートベルトが必要か運転手に尋ねている。バスの中で地元の友人にちょこちょこっとメールを打った後、ぽかぽか陽気に誘われてこくりこくりうたた寝。
【13:00 花月園到着】
花月園に到着。バスの中は相当蒸し風呂だったようで(寝てたからわからない)、一同解放されたかのようにどどどっとバスを降りてゆく。一週間前の雪がまだ残っている。雪といえば2年前の大雪を思い出す。それ以来雪を避けた日程を組んでいたはずだがこの時期にこれでは結局運次第ということですな。
軽い手続きを済ませた後、会場入り。すでに今井さんの手によりリーグ表や部屋割りが貼られてある。見渡すとやはり静かで寂しい感じ。どことなく重々しい雰囲気の中、野山主将の恒例のリコー将棋部事件簿からスタート。今年一番の事件(?)は職団戦のA級優勝だ。拍手の嵐の中、優勝メンバーの太田さんが照れくさそうにモジモジしている。
【13:30 リーグ戦開幕】
Sクラス
1回戦は上位陣の全勝。沙恵ちゃんは必殺の銀打ちを逃して惜しくも負け。
2回戦で岩手の星・藤原さんが、先日の日レス杯でプロ2人をなぎ倒した馬上君を会心の寄せで破ったようで、観客から感嘆の声がもれる。
3回戦。全勝対決を制したのは野山主将と谷川さん。谷川さんはやっぱり強かった!
4回戦。沙恵ちゃんが女流棋士早水さんから大金星!お兄ちゃんも太田さんに勝ち、マシンガン口撃を食らっている。私は牧野さんとムダに大熱戦。宴会時間にズレ込んでしまって多大なるご迷惑をおかけしました。終わって牧野さんの遠吠え「投げろよ〜。俺なら投げてる。」結局優勝は順当に野山主将。
Aクラス
合宿の常連のベテラン陣が元気一杯!上位のほとんどを独占した。最終戦は槙さんと宮崎さんの一騎打ち。結果、槙さんの全勝優勝。今井さん評では参加者の中では一番点数の低かった小野崎さんがものすごく強くなられていると大絶賛。点数を吸い取られた方は災難でした。
【18:30 宴会】
牧野さんとの大熱戦を終え、宴会場に入る。早水さん、吉中さん、永田さん、勝又さんのテーブルが空いておりお邪魔させていただく。早水さんの潜水艦で将棋の指導をした話や囲碁将棋チャンネルの裏話などで盛り上がる。また、勝又さんは先日行われたNHK教育フェア2002というイベントで息子さんと親子ペア将棋に出場され、見事優勝されたそうだ。なおこの模様はNHK将棋講座1月号の巻頭カラーで掲載されているのでぜひご一読を。ちなみに沙恵ちゃん親子も載ってます。おめでとうございます。 今回は席を立つ人も少ない。そんな中で宮田君が赤い顔をしてウロウロしてる。やはり華あるところ人集まるもので、藤原さん、牧野さん、野山主将も話に加わり大いににぎわう。おいしそうな鍋が各テーブルに用意されていたが、私がつつきに回ったときにはほとんどのテーブルでたいらげられていた。宴たけなわとなったところで、Aクラス優勝者槙さんのご挨拶。何でも大手術をされたばかりのようで、ご自身「最後の優勝かな」なんて笑っておられたがまだまだ元気一杯。これからも若い者たちには負けないでくださいね。
【20:30 夜の部】
夜の部はリレー将棋トーナメント。私は永田さん、宮崎さんと組んで出場。他のチームは居飛車だの振り飛車だのと細かく作戦を立てていたが、我々は「まあ指したいように指しましょう。」とは言ったものの、一回戦で居飛穴をやれば「5筋の位を取れ」だの二回戦で横歩取りをやれば両チーム合わせて私と伊藤君以外誰も指し方がわからず「横歩取りだけはやめましょう。」だの何だかんだで作戦はまとまってきた。三回戦で本格的な相矢倉となり終盤宮崎さんのはちゃめちゃな指し口に思わず頭をかかえるが意外とこれが決まってたりして、これまたいい場面に私が回ってくれば外野から「こいつ今日はツイてやがる。」とヤジが飛ぶ。決勝戦は、一回戦で私が散々「5筋の位を取れ」と強調したのが頭に残っていたのか宮崎さんが穴熊相手にこれまた変なタイミングで実行してしまいこれまた頭をかかえる。潰されるのを待つだけとなったが、何と中盤で時間切れ勝ち。お遊びとはいえ何となく「いいですよ」とは言えない雰囲気となり、二回戦の二歩と合わせて何とも後味のよろしくない優勝となった。
【フリー対局】
私の合宿の日課となっているのが酔っ払った宮崎さんとの二枚落ち真剣勝負。優勝のご褒美と言いますか何と言いますか、不覚にも初勝利を献上していまう。何気にこの日一番の悔しさだった。風呂につかって戻ってくると馬上君が賞金トーナメントをやると言う。一回戦で太田さんに久々の勝利。多分気のせいだと思うが形勢不利になると「ねみい〜」を連発されてたのできっと疲れてたんですよね。二回戦で牧野さんに雪辱される。結局優勝したのは一番金に欲のなさそうな桑山君。決勝で堂々野山さんを寄り切った。
その後、深夜の対局は続く。槙さん樋口さんの正の字で勝ち負けをつけながらの対決、野山主将の必敗の将棋を拾ってのヒャッヒャッヒャッという引き笑い、犬猿の藤原さん牧野さんの放送コードギリギリのののしり合い対決、小林さんは自身があみだした「小林スペシャル(システムでしたっけ?)」を熱心に解説、今井さんは酒をちびちびやりながら高田さんとのんびり対局、ヒマそうにウロウロしている沙恵ちゃん、それを見守るお母さん、あ〜いつもの風景だな〜とほっと胸をなでおろす。これですよ、この空間なんですよ合宿の醍醐味は!人数が多かろうが少なかろうが関係ないですな。
大室さんと二枚落ちを指した後フラフラと部屋に戻る。時刻は2:30を回っていた。同部屋の太田さんが気持ちよく寝ている。
【7:00 二日目朝】
夜更かしした割には気持ちよく目が覚める。朝飯は花月園恒例のバイキングだ!!深夜におにぎりを食べ過ぎたこともありさすがに食欲がない。ご飯、おかず共に第3Rでやめておく。急いで風呂に入って帰り支度。
【9:00 表彰式】
合宿委員の趣味で選んだ賞品の書籍が並べられる。Sクラス優勝の野山主将から順番に取っていく。主将は表彰前にどの本が一番高いか一生懸命物色している。割と庶民的。「え〜Sクラス優勝は私。」と自ら読み上げた後、すかさずその本をもぎ取りしてやったりの表情。これもいつもの光景だ。会費も集め終わり、とりあえず2002年度冬合宿は無事に終了。
昼まで楽しかった合宿の余韻を楽しむようにフリー対局が始まる。この後吉中さんの提案で数人駒ケ岳に登ることになっていたが、出発前に2日間ただじっと子供達の活躍を見守っておられた伊藤ママと二枚落ちで一局。下手圧倒的不利の形勢を次の一手で勝ちの局面までこぎつけたが残念ながら発見できなかった。しかしたいしたもんです。次回からはぜひリーグ戦に参加してくださいね。
今回は前回に比べるとやや盛り上がりに欠ける合宿だったと思いますが、そんな中参加していただいた方々には本当に本当に感謝しております。次回から「マンネリ打開」を合言葉に新企画満載・・・とまではいかないまでも徐々に新しいものを取り入れながらがんばってまいりますので、お忙しい方はなるべく早めに予定を空けていただいて、金欠の方は何日間か断食でもしていただいて、ぜひとも参加していただければこんなに嬉しいことはありません。また、ご意見、苦情等ございましたら遠慮なくお申し付けください。それではこの辺で。
【おまけ】
合宿終了後、駒ケ岳に出発。メンバーは吉中さん、野山さん、牧野さん、藤原さん、早水さん、永田さん、私の7名。車で数分、ロープウェイ乗り場に到着。団体割引チケットが8名からということであと一人連れて来てれば、と嘆いても後の祭り。苦肉の策で後ろに並んでいたカップルにダミーで加わっていただいた。ロープウェイは思ったよりもデカく、イナバの物置ではないが100人乗っても大丈夫。混んではいるが毎日の通勤ラッシュの殺気立った雰囲気とは明らかに異なる。親子連れやカップル、皆楽しそうだ。高く登るにつれて富士山が芦ノ湖がはっきり見えてくる。高所恐怖症の永田さんはちょっと辛そう。
山頂に到着。辺り一面真っ白の銀世界に思わず牧野さんに雪をぶつけてはしゃぐ私。気温は−4℃らしいが思ったほど寒くもない。雪道を歩いているうちに誰かが「足を踏み外さないように。」と言ったのを受けて牧野さんが私に「おめえは人の道を外しているがな、へっへっへっ。」と上手いことを言う。途中の休憩所のようなところで、私と牧野さんが雪の遠投を競っているところに、野山さんが参戦。気合もろとも雪を投げたその瞬間、ツルッとすべって・・・なんてことは野山さんの名誉のために伏せておきます。ひたすらはしゃぐ牧野さんに極めて冷静にツッコミを入れる藤原さんの名コンビもどこに行っても変わらない。こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。下山して食事して解散。私と早水さんは吉中号で送っていただきました。帰り道、早くも次の合宿のことを考え・・・る間もなく、あまりにも吉中さんの運転が気持ちよすぎて深い深い眠りに沈んでいった。
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