【大会名称】- 朝日アマ南関東Ｂブロック決勝
- 【対局者】
- ▲瀬良 司（リコー） × △奥本 心（東洋信託銀行）
- 【対局日】
- １９９５年１１月２３日
- 【対局場所】
- 東京都港区 有楽町マリオン
- 【解説】西田 文太郎
小秋日和という言葉は聞いたことがないけれど、小春日和というには、ちょっと涼しい勤労感謝の祝日。 自分の子供が出ない小学校の運動会を見に行く人は居ないだろうけど、リコーから３人出ると聞いて朝日アマ将棋名人戦の東京、関東ブロック大会を応援に行ってきた。
「私より将棋のほうが大事なのね」という古女房のお世辞と笑顔に手を振って有楽町のマリオンへ。ビルの玄関の大時計を見ると昔、テニス仲間で待ち合わせをして探すのに苦労したことを思い出す。さすがに銀座若い娘や、カップルが沢山いて楽しくなってくる。１１Ｆに行くと朝日のホールがある。ここはそのようなキャピキャピギャルとは無縁の勝負の世界。少しもの悲しく、少し誇らしい。
南関東大会。一回戦は既に始まっていて、瀬良さんが指している。谷川さんと、南さんは一回戦はくじでパス。予選を勝ち抜いたマックス１６人のブロックが３つ。代表は、それぞれのブロックから一人ずつなので、３人の内、誰か一人は必ず代表になるだろう。。。
瀬良さんは、一回戦を快勝し、二回戦は南さんと同士討ち。南さんは、右玉から地下を通って４間に飛車を回す。対する瀬良さんは４筋５筋から圧迫し、やや作戦勝ち。南さんの角切りの猛攻に２枚角で反撃し三回戦へ。
その隣で谷川さんの二回戦、相手は大西さん。 角換わり棒銀に出て、双方居玉のママ１五の地点で銀香交換し、１二に歩を垂らす。 大西さんは、手に入れた銀を２三へ埋めて手厚く受ける。 その後７筋に綾をつけ角を打って手を作る谷川さんに、大西さんは玉を左翼へ運び更に飛車を成り返って自陣に引き付け飛車と竜のいる右翼へスタコラ運び寄せあい一手勝ち。 谷川さん昨夜メールリストの会合で終電になったとか、途中ほんの数秒上体が傾いて睡魔と戦っていたのかな。。。？
三回戦、瀬良さんが快勝し、いよいよ決勝戦。相手は谷川さんを破った大西さんを破った奥本さん。 菊田さんと同期で東洋信託にお勤めとか。
瀬良さん、南さんの十八番の右玉を採用。途中まで攻勢で有利に見えたけれど、途中９七香と一歩を補充して玉頭を攻める決め手を見逃し逆転。。。とても残念な一局。
途中から菊田さんも応援に来てくれたけど残念な結果でした。これで、野山さんだけが頼りになりました、（え、もともとですか？）頑張って下さいね。
- （棋譜解説：瀬良 司）
- 第５手 ６六歩
- 私としては珍しい指しかた。 普通ならば空中戦になっていたと思います。 なぜここでこう指したかというと、一つは自分が気分屋でその日の気分で 戦型が変わること、既報のように１回戦を右玉で快勝したこと、南氏との一戦で苦戦したので、「本日は右玉につきがある。」と 思ったからです。 よってこの後は南流を目指しました。
- 第３１手 ６五歩
- ６五歩では本家南氏の感想にあるように、６八角から７七金と守る指し方もあったが、受け身一方なのが気にいらずやめました。 ７筋の歩交換後、 ７四銀、８四角型に組まれると一方的に攻められそうでしたので。
- 第３９手 ６八金
- ６八金はこの一手で、受けませんと５五歩でしびれます。
- 第４１手 同 角
- 同歩もありましたが、８五歩が嫌みなので同角としました。
- 第４３手 １六歩
- いろいろ考えたのですが、どう攻めていっても１五角と出られると困ります。 １六歩は仕方がないのですが、この忙しい局面でこう 指さざるを得ないようでは作戦負けを感じました。 それと南流に対する左美濃の優秀性も。
- 第６９手 ４五金
- ４五金は悪いことはわかっていたのですが、やむを得ず打ちました。 次の７一角で２六角と出られたらはっきり悪かったと思います。 ２九飛くらいしかありませんが、１七銀ともたれていられると８六角が質駒なのでとても支えきれなかったと思います。
- 第８０手 同 飛
- ここで７二歩と打つと、以下９三角に５三角成と馬が作れますが、急所に角がきて桂の入手から５六桂が見えておりとても指しきれませんでした。
- 第９１手 ２四金
- ２四金がチャンスを逃した悪手。 ここは９七香と１歩補充するところ。 以下９六歩に２四金、同銀、２三歩、同王、２五歩、同銀、２四歩と指せば十分でした。 本譜は歩が１歩足りないため成立しません。 苦しかった将棋がやっと好転したと感じていたのですが。。。実は指した瞬間に気がつき頭に血が昇りました。
- 第９７手 ４二銀打
- ４二銀とは馬鹿を絵に書いたような大悪手。 ５二金のような簡単な手を見落としていたのでは話になりません。 普段ならこんな手を見落とすはずが無いのに。 先程の逸機が尾を引いており目が見えなくなっていました。 後は完全な切れ模様でまったく見所はありません。
【棋譜】
