kifu0005
【大会名称】
リコー将棋部 95冬合宿 A級決勝戦
【対局者】
▲南 尚文 × △谷川 俊昭
【対局日】
1995年11月11日
【対局場所】
千葉県八街市 民宿ほおじろ
【解説】西田 文太郎

 A級14名のスイス式リーグ戦で3連勝同士の対決となり、本局が決勝戦となった。

 谷川さんの3連勝の中にY師範から勝ち取った白星が光る。最後の講評で「谷川さんに完璧にやられてしまい、これが後の公式戦に響かないように気をつけなくては」と言わしめた。

 強豪のスケジュール調整がつかず思わず「私の優勝か」と予言をしてしまった谷川さん。 対するは目下対谷川戦10何連勝中の南さん。対谷川戦は絶対の自信を持っているようだ。

 26手目△2四銀でホームページへの掲載をやや意識したような、見慣れぬ戦形へ谷川さんが誘導する。 果敢に玉頭から反撃する南さん、しかし51手目▲7七銀で▲6一角の勝負手を逸してからはやや切れ模様で思わず「棋譜掲載は没」とうなる。 盤外でのささやきも効を奏して谷川さんが快勝した。

 谷川さんは将棋部の大会では随分久しぶりの優勝で復調を窺わせた。
(解説補足:南 尚文
 谷川さんの24手目△3三銀から△2四銀は振り飛車対策の一つだが、狙いが単調になりやすいので、良い子にはおすすめはできない指し方。ただし5六歩がついてあり、5六銀と出れない形なので十分成立している。

 私の25手目▲6七銀はやや甘く、▲2六歩で様子をみておくところ。△3一角とこられても、そこで▲6七銀とすれば、問題ない。引き角はこの局面では恐れる必要はなかった。

 39手目の▲7八銀は手損なので、▲6六銀でがんばるところか。ただしここでは何故か指しにくくなっているかもしれない。これぞ谷川流酔拳の術。。。?

 51手目▲7七銀は西田さんの解説にもあるとおり、▲6一角で勝負しなければ将棋にならない。以下ははっきりいってみどころなし。。。

 これで谷川さんに3年余りをかけて達成した10数連勝もとまってしまったが、同じくらいのレーティングでこれだけ片寄るほうが異常。 但し、今度対戦したときは、勝たせていただきます。(全国大会の決勝であたりましょうね、谷川さん)

【棋譜】

1 ▲7六歩 2 △8四歩 3 ▲7八銀 4 △3四歩
5 ▲6六歩 6 △6二銀 7 ▲6八飛 8 △4二玉
9 ▲4八玉 10 △3二玉 11 ▲3八銀 12 △5二金右
13 ▲3九玉 14 △5四歩 15 ▲5八金左 16 △7四歩
17 ▲2八玉 18 △4二銀 19 ▲5六歩 20 △1四歩
21 ▲1六歩 22 △8五歩 23 ▲7七角 24 △3三銀
25 ▲6七銀 26 △2四銀 27 ▲2六歩 28 △3五銀
29 ▲2七銀 30 △4四角 31 ▲2五歩 32 △3三桂
33 ▲3六歩 34 △2六銀 35 ▲同銀 36 △同角
37 ▲6五歩 38 △7三桂 39 ▲7八銀 40 △5三角
41 ▲3三角成 42 △同玉 43 ▲4五桂 44 △4二玉
45 ▲5三桂成 46 △同金 47 ▲2二角 48 △4四角
49 ▲同角成 50 △同歩 51 ▲7七銀 52 △5二金上
53 ▲2二銀 54 △8一飛 55 ▲7五歩 56 △同歩
57 ▲5五歩 58 △同歩 59 ▲2四歩 60 △同歩
61 ▲3三角 62 △3二玉 63 ▲2四角成 64 △2二玉
65 ▲7四歩 66 △2一飛 67 ▲3四馬 68 △3三歩
69 ▲2三歩 70 △3二玉 71 ▲2四馬 72 △1三銀
73 ▲同馬 74 △同香 75 ▲2二銀 76 △8一飛
77 ▲7三歩成 78 △同銀 79 ▲1三銀成 80 △2六歩
81 ▲3九桂 82 △4二玉 83 ▲2二歩成 84 △2四角
85 ▲2三と 86 △6八角成 87 ▲同銀 88 △6九飛
89 ▲3三と 90 △同玉 91 ▲2三成銀 92 △4三玉
93 ▲3二角 94 △4二玉 95 ▲5九金引 96 △8九飛成
97 ▲5四香 98 △4三銀 99 ▲5三香成 100 △同玉
101 ▲4三角不成 102 △同金 103 ▲7二金 104 △8三飛
105投了