kifu0004
【大会名称】
第69回 全国職域団体戦 Sクラス予選リーグ
【対局者】
▲南 尚文(リコー)× △小林 庸俊(プロセス資材) 
【対局日】
1995年10月1日
【対局場所】
日本武道館
【解説】南 尚文
 対戦相手の小林さんは、かつてプロ棋士を連覇し話題となり、写真週刊誌にまで登場した超強豪。公式戦では初対戦かと思うが、研究会等も含め勝った記憶はない。自分の土俵で戦うべく南流の序盤から陽動振飛車の展開となった。
 37手目の3八銀は、手損となるので私の好みは3八金なのだが、ここは銀が引くものと元リコーの田尻さんから教わった手。結果的には勝因だったかも知れない。
 40手めの2二銀は、よくやる人はいるが私には指せない手。2二王は、6五歩から2五歩の筋が嫌みなのだが、悪くても2二王だろう。
 41手目の5五歩は感覚的にはこの一手。読みはともかく、この手が浮かぶかどうかが、有段者と級位者の分かれ目。
 53手目の4五歩打ちはもっとも考えたところ。他に5六銀と捌きにいく手も有力だが、じっくりと良さを主張しにいったつもり。ただし形勢は互角。 70手目の5四飛は疑問手。ここは指しにくいが5一飛、5二金、6一飛、同金、3五歩で難しかった。
 88手目の4一金が秒に追われた敗着。良くも悪くも3六歩で勝負するところ。
 89手目の3四歩があまりにも厳しくここで勝ちを確信した。
 105手目の4五角打ちは万一の頓死(まず無いが)を消しつつ必死をかけ決め手。
 107手目の3三歩成りからは簡単な即詰み。

 自分としては良く指せた将棋と思う。
 この勝利もあってプロセス資材には、4勝1敗で勝ったのだが、次のアルゴリズム研究所に2勝3敗で敗れ(私も負け)第1チームは予選落ちした。これで職団戦S級では、2回連続、前回優勝チームが予選落ちしたことになり、それだけレベルが接近していることをあらわしている。
 次回は是非頑張りたいと思う。

【棋譜】

1 ▲7六歩 2 △3四歩 3 ▲6六歩 4 △8四歩
5 ▲6八銀 6 △6二銀 7 ▲6七銀 8 △5四歩
9 ▲4八銀 10 △5二金右 11 ▲4六歩 12 △4二銀
13 ▲4七銀 14 △3二金 15 ▲3六歩 16 △4一玉
17 ▲2六歩 18 △8五歩 19 ▲7七角 20 △7四歩
21 ▲8八飛 22 △3三銀 23 ▲4八玉 24 △3一角
25 ▲3八玉 26 △4四歩 27 ▲5八金左 28 △4三金右
29 ▲3七桂 30 △1四歩 31 ▲1六歩 32 △7三銀
33 ▲5六歩 34 △4二角 35 ▲2八玉 36 △3一玉
37 ▲3八銀 38 △2四歩 39 ▲4七金 40 △2二銀
41 ▲5五歩 42 △同歩 43 ▲6五歩 44 △3三銀
45 ▲5五角 46 △5四金 47 ▲7七角 48 △6五金
49 ▲4五歩 50 △5五歩 51 ▲4四歩 52 △同銀
53 ▲4五歩 54 △3三銀 55 ▲5八飛 56 △5二飛
57 ▲4六金 58 △6四銀 59 ▲6六歩 60 △5六金
61 ▲同銀 62 △同歩 63 ▲同飛 64 △5五銀打
65 ▲5九飛 66 △5六歩 67 ▲5五金 68 △同銀
69 ▲6一銀 70 △5四飛 71 ▲6五金 72 △5一飛
73 ▲5二歩 74 △6一飛 75 ▲5五金 76 △3五歩
77 ▲5六飛 78 △3六歩 79 ▲同飛 80 △3五歩
81 ▲5六飛 82 △6七銀 83 ▲5七飛 84 △7六銀成
85 ▲4四歩 86 △3六歩 87 ▲4三銀 88 △4一金
89 ▲3四歩 90 △7七成銀 91 ▲3三歩成 92 △同金
93 ▲3四歩 94 △2三金 95 ▲7七飛 96 △4六角
97 ▲4五金 98 △6四角上 99 ▲4六金 100 △同角
101 ▲4二銀打 102 △2二玉 103 ▲4一銀 104 △同飛
105 ▲4五角 106 △3五金 107 ▲3三歩成 108 △同金
109 ▲3二金 110 △同金 111 ▲同銀成 112 △同玉
113 ▲2三銀 114 △3三玉 115 ▲3四金 116 △同金
117 ▲同銀成 118投了