kifu0002
【大会名称】
第69回 全国職域団体戦 Sクラス準決勝
【対局者】
▲遠藤 正樹(プロセス資材) × △谷川 俊昭(リコー)
【対局日】
1995年10月1日
【対局場所】
日本武道館
【解説】西田文太郎
 夕方になるとあの広い武道館の中でも将棋を指しているのは机で数本、AクラスとSクラスだけである。
 リコー2軍は、Sクラスのリーグ戦をうまく切り抜けてトーナメントの準決勝に進出した。 さすがに皆将棋が好きなだけに4局目なのに疲れを見せない。 緊張の中にも楽しんでいるように見える。
 私は、パソコンで棋譜を取るために谷川さんと牧野さんの間に座らせてもらった。 特等席である。 パソコンを見て「さすがにリコーさんはやることが違う」という声が聞こえた。
 試合は、リコー奇数先手、副将の位置で出場した谷川さんは後手。 先手遠藤さんは4間飛車の穴熊。 谷川さんは急戦調の棒銀で右金はなかなか動かさない。 途中33手目の▲9八香の所まで双方7、8分しか使っていない。
 先手▲7五銀と出てこられ谷川さん作戦負けか、苦吟。 △6五歩と取るとじり貧になるのか、△8六歩と飛車先の歩をつく。 当然先手は手抜きで攻めてきたがあとで▲8六歩と手が戻るところを見ると利いているようだ。
 42手目の△6二歩から谷川さん秒読みになった。
 49手目▲1一角成り。 居飛車側はよくここに角に飛び込まれる。 谷川さんは当然のように決勝戦でもここに成らせていた。
 先手が秒読みになった65手目の▲6五飛が、局後遠藤さんが真っ先におかしかったかと言っていた手。 私も変だとは思ったけど、30秒じゃなくても何を指せばよいか判らない。 このあとの谷川さんの猛攻がすごく、最後は、きれいな即詰めに打ち取った。
 この辺が谷川さんの強さだと思ったら、隣の牧野さんも敵にさんざん攻められていたのにいまやビシーと攻めている。 やはりリコーのトップクラスは終盤がやたら強いのだろう。

【棋譜】

1 ▲7六歩 2 △3四歩 3 ▲6六歩 4 △6二銀
5 ▲6八飛 6 △5四歩 7 ▲4八玉 8 △4二玉
9 ▲3八玉 10 △3二玉 11 ▲7八銀 12 △7四歩
13 ▲2八玉 14 △8四歩 15 ▲1八香 16 △8五歩
17 ▲7七角 18 △7三銀 19 ▲1九玉 20 △4二銀
21 ▲2八銀 22 △8四銀 23 ▲3六歩 24 △7五歩
25 ▲6五歩 26 △7七角成 27 ▲同銀 28 △7六歩
29 ▲同銀 30 △5三銀 31 ▲3九金 32 △4二金
33 ▲9八香 34 △1四歩 35 ▲6四歩 36 △同歩
37 ▲6五歩 38 △7三銀 39 ▲7五銀 40 △8六歩
41 ▲6四歩 42 △6二歩 43 ▲7四歩 44 △8四銀
45 ▲同銀 46 △同飛 47 ▲6六角 48 △7四飛
49 ▲1一角成 50 △2二銀 51 ▲1二馬 52 △5二金上
53 ▲8六歩 54 △8八歩 55 ▲6三銀 56 △同歩
57 ▲同歩成 58 △6四歩 59 ▲5二と 60 △同金
61 ▲6五歩 62 △8九歩成 63 ▲6四歩 64 △6二歩
65 ▲6五飛 66 △7三桂 67 ▲2五飛 68 △6四飛
69 ▲6八香 70 △7四飛 71 ▲7五金 72 △3三桂
73 ▲7四金 74 △2五桂 75 ▲6三歩 76 △5五角
77 ▲6二歩成 78 △1五桂 79 ▲4六飛 80 △4二金
81 ▲6三香成 82 △6二銀 83 ▲同成香 84 △2一銀
85 ▲同馬 86 △同玉 87 ▲6三金 88 △4六角
89 ▲同歩 90 △4七角 91 ▲3八銀 92 △同角成
93 ▲同金 94 △4九飛 95 ▲5二成香 96 △3七銀
97 ▲3九銀打 98 △2八銀成 99 ▲同玉 100 △2七桂成
101 ▲同玉 102 △5二金 103 ▲2六銀 104 △4七飛打
105 ▲3七角 106 △同桂成 107 ▲同桂 108 △6三金
109 ▲5八金 110 △4六飛成 111 ▲4七歩 112 △3六龍
113 ▲同玉 114 △3五銀 115 ▲同銀 116 △同歩
117 ▲4六玉 118 △5五角 119 ▲3五玉 120 △3四歩
121 ▲同玉 122 △3三銀 123 ▲2五玉 124 △2四香
125 ▲1四玉 126 △1三歩 127 ▲同玉 128 △2二銀
129 ▲1四玉 130 △1三歩 131投了