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イベント・レポート

2007年度三愛会囲碁将棋大会

〜〜〜なんとか入賞〜〜〜

年月日:2007年6月30日(土)

場所:中央区「リコー銀座事業所 9階食堂」

レポーター:西田 文太郎

【初の囲碁将棋合同大会】

 三愛会の将棋大会に出るのは2年ぶりだろうか。例年は5月に開催されていたと思うのだが、今年は梅雨空の6月末になった。昨29日は名人戦の最終局で、森内名人が防衛し、永世名人になった。郷田さんには惜しい敗戦となった。
 銀座事業所の9階食堂が大会の場だ。
 囲碁大会と将棋大会とこれまでは別々にやっていたのだが、今年は初の試みで、合同でやるという。休日にボランティアで裏方をやってくれる三愛会の方々のためにもこの方が合理的だろう。毎度のことながら、楽しませてもらってありがたいと思う。
 将棋の大会でも平均年齢が高いと思っていたが、ぱっと見で囲碁の平均年齢が高いのに驚く。聞くと、定年退職された方が多いという。でも女性は二人いて入賞した方は若いのでびっくりした。将棋には女性は参加していない。寂しいね。
 指導対局にきてくれた、中倉彰子女流は新しく独立したLPSAに所属している。将棋の普及に力を入れるという。
 室田伊緒女流は連盟に所属している。今日は名古屋から日帰りで駆けつけてきてくれた。
 将棋部の前部長の柳川さんも来てくれて、新部長で常務の松浦さんと並んで豪華な開会式になった。審判委員長は選手兼任で野山がやる。
 今日の対局まで、この前の社団戦から5日間、この間将棋に割ける時間は8時間ほど。将棋ソフトとの対戦で、読みの練習をした。なんと読み抜けの多いことか。ソフトは、案外見逃してくれない。
 戦法は、先手なら、矢倉含みの居飛車に、後手で相手が振らなければ、四間飛車にしようと決めてきた。ゴキゲン中飛車などは角道を通した振り飛車で、気持ちは良いのだが、どうも勝ち方が難しく、まだ使いこなせない。自分の得意戦法を持ちたいのだが、まだない。先手矢倉以外は、臨機応変戦法だ。
 時計はSクラスとAクラスは20分30秒だ。

【1局目】

 くじ引きで、対戦相手は疋田さんとなる。初対局かどうか覚えがない。
 振り駒をして、後手。対四間飛車で、居飛車穴熊に進む。案外すんなり穴熊に組めて一安心。しかし銀交換され、その銀を手厚く中段に打たれ、動くのが難しい。当初もくろんだ55銀打ちは、どうもうまくいかない。長考の末、敵の角を攻める銀打ちから銀成りを選ぶ。敵玉とは遠いところの成銀は迫力がない。だけど、これ以外に有力な攻め筋を見つけられなかった。
 敵は角金交換をして、飛車を5筋に回って成り込みを見せる。こちらは2筋から飛車が成り込む。その龍で香車を拾えたので、敵は5筋に飛車が成りにくくなった。
 そして終盤は、穴熊の玉の遠さが生きて、よたよたと勝ちきった。
 どう見ても向こうの方が筋のいい手を指している。穴熊の構造上の威力だけで勝ちを拾った。

【2局目】

 徳増さん。久しぶりだね。元気ぃ? あんまし元気じゃない・・・
 後手。四間飛車に構え美濃の囲いだけを作り居玉のまま、敵が居飛車穴熊に行くかどうか様子を見る。すると銀が5七に上がり、角が3三に上がる。僕は気持ちばかり焦っている証拠に、相手の玉がもう一つ8八に寄るか9八に香車が一つ上がるかしてから仕掛ければいいものを、ついつい、突っかけてしまう。うまくいかないので、そっぽの手を指していると、なんと玉が8八に寄って、角のラインに入ってきた。
 攻撃を再開し、危うく切れそうになるが、何とか攻めをつないで、投了してもらった。最後は詰みを読み切れていなかったが、勝ちは動かないのだろう。

【昼食休憩】

 お弁当は、何種類か用意されていたが、おこわ栗弁当を選ぶ。お弁当は、日本人の智恵が詰まっていて、楽しい。あの小さな領域に、冷たくても美味しいおかずを沢山色とりどりに並べ、見るからに美味しそうだ。
 勝又さんと勝又システムの話をしながら食べた。

【3局目 準決勝】

 三村さんは、勝又システムを破って、勝ち上がってきた。将棋部には入っていないようだ。後手だったかな。四間飛車にして、穴熊にされるかどうか様子を見るところまでは2回戦と似た進行だが、顔が違う。顔が違えば腕も違う。
 穴熊を警戒した4六歩をとがめられ、普通に急戦でこられ、苦しくなった。局後の検討では、苦しくなったときに飛車と角を交換しておけば、まだましだったようだ。
 俗手で敵の守りの金をはがし弱々しい一太刀を浴びせようとしたが、遊んでいる敵の飛車もうまく受けに活用されて、完敗だった。
 三村さんは決勝で小林を破り優勝していた。負けた相手が優勝なら、あきらめもつきやすい。将棋部に、是非入って欲しい。

【4局目 3位決定戦】

 3局で終わりだと思っていたら、3位決定戦をやるという。市原さんだ。市原さんはしばらく海外赴任をしていて、帰ってきた頃は、こっちが将棋を休んでいたので、ずいぶん久しぶりだ。
 先手になった。市原さんは、全部後手だという。敵は四間飛車で、藤井システムの出だし。こちらが、角を引いたときにうっかり玉を移動させたため、2四歩からの角交換が受からない。あっさり飛車が成り込めて、優勢になった。
 5筋で壁が出来たので、今度は7筋の桂頭を攻め、角が成り込んで勝勢になった。自分の課題はここからで、どうやっても勝てる大優勢の局面で、どう包み込めばいいのか、わかっていない。もたもたと、刃こぼれだらけの刀をむやみに振り回し、結構我が身も傷つけてしまうのだ。
 庭野さんがいれば、骨を切らせて肉をたてというのだが。どれが肉でどれが骨かわからなくなるのだ。こういう勝ち方は、相手にも悪いが、自分にもいらいらする。
 2年ほどのブランクにしては、3位は上出来だろう。少ない時間でも有効に使うことを考えて、少しでも上達したいもの。いつの日かSクラスで指せるように。遠い夢だが、目標はあった方がいいだろう。

【指導対局を観る】

 勝又さんが、開発中の勝又システムを中倉彰子女流に試している。居玉のまま、振った飛車を袖飛車に戻し、敵の玉頭から攻める手法だ。途中まではうまくいったようだが、桂の跳ね場所を間違えたとかで、劣勢になっていた。終盤、馬あたりにかまわず桂馬を打った手が素晴らしく馬を取れば桂成りが必死になる仕掛けで、見事だった。
 伊緒ちゃんに、竹中が挑んでいる。どこでどうごまかしたのか、大優勢の終盤になっている。伊緒ちゃんの自陣は逃れようのない必死、飛車、金、銀の持ち駒で、裸の竹中玉を詰ませることが出来るかどうかという局面になっている。
 竹中は飛車打ちに対し、桂馬を合いに使う。癖なので悪気はないのだが「金と銀だけじゃ、辛いねえ」などと言っている。
 たしかに辛すぎるので、他を見に行った。

【アマ強豪の将棋を観る】

 スイス式リーグ戦で、4回戦は細川対俊平が、3連勝同士の決勝戦となっている。
 局面は、細川玉が中原で彷徨っている。俊平玉は馬が近くにいるが、かなり安全で、優勢だ。
 細川の怪しげな玉の足取りと、1秒でぴたっと止めるチェスクロック技が楽しい。
 彼らの将棋は、密度が濃い。局面が複雑だ。指し手候補が広い。一緒に読んでいると見ているだけでくたびれる。自分の将棋とは複雑さのレベルが違っている。その分、頭の使用頻度も激しく、自分の将棋より遙かに頭を使わせられる。
 結局、俊平が旨く包んで寄せきった。準優勝は洋次で、細川は3位となった。

【表彰式】

 入賞者の他に、指導対局に勝った人に商品がでた。将棋では、徳増さんともう一人。
 柳川さんが、「アレ、竹中勝ったんじゃないの?」と叫ぶ。僕もびっくりだ。聞けば、金打ちに取るのは詰みなので逃げるしかないのだが、詰む方に逃げて、頓死したのだという。竹中も可愛い娘にはやっさしいんだねえ。あはは。
 囲碁も将棋も現在では、残念ながら斜陽だろう。インターネットのおかげで、棋戦の鑑賞や対局環境などは飛躍的に良くなったのだが、ソフトとハードが飛躍的に発達したゲーム機の隆盛に囲碁や将棋は太刀打ちできないのだ。多様化の時代に趣味の世界も多様に分散化している。
 かつて羽生七冠誕生前後に日本中がフィーバーした頃をピークに、確実に衰退化をしていると思う。多様で、フラットな時代になって、囲碁・将棋界はどのような最善手を見つけていくのか、興味深い。

【打ち上げ】

 有志が汐留のサッポロビアホールに打ち上げに行く。16人いた。女流も二人とも来てくれたので、華やかで楽しい。柳川さんやSクラスの面々も居る。
 K君は伴侶募集中だが優しい女性が良いという。そりゃあそうだろうけど、自己中心的になってきている現代に優しい女性はいるかどうか疑わしいものだ。と冗談半分に言うと、価値観が一緒なら良いという。それはいいね。生まれてから20年以上も違う道を歩んできたもの同士が、これから楽しくつきあっていくためには、価値観が近いということは大事なことだよね。
 H君は、高橋道雄九段が雑誌に書いていたという「焦って結婚、ゆっくり後悔」というフレーズが気に入ったそうだ。とはいうものの、奥さんとの仲も修復順調のようだ。
 中倉さんはLPSAを安定させるため東奔西走し、前よりも10倍も忙しくなって、大変だという。長時間おつきあい頂き感謝。誰かが、一段とあか抜けてきれいになったと言っていた。同歩。
 伊緒ちゃんは、細川達と談笑している。合宿にもよく来てくれて、彼らに鍛えてもらうのが楽しいようだ。かつてのアンニュイの面影は消えて、明るく涼やかな笑顔が印象的だ。
 二人の女流棋士に感謝の記念品贈呈があった。殺風景な将棋の大会に、二つの美しい花が咲いて、気持ちを高揚させてくれる。おかげで楽しい一日になった。
 柳川さんに、長年将棋部部長を務めて頂いた感謝の記念品贈呈があった。柳川さんの将棋部への貢献はとても大きい。将棋部を愛して、我々の目線で将棋部の発展に力を尽くしてくれた。大勢でご自宅にお邪魔して、奥様にもしばしばお世話になった。感謝の気持ちはつたない筆には尽くせない。本当にありがとうございました。これからは気楽に対局に来てくださいね。


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