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イベント・レポート

‘98アマレン交流 第4回 関東選抜県対抗将棋大会

月日:98年6月20日(土曜日)

場所:南浦和駅前囲碁将棋チェスクラブ

主催:日本アマチュア将棋連盟 関東本部

リポータ:谷川俊昭 e-mail : tanigawa@cspd.ricoh.co.jp

谷川失冠

アマレンの夢

神奈川チームはリコーチーム

謎のマドンナ登場

一回戦:羽生棋友会

二回戦:栃木

三回戦:埼玉

この美酒をもう一度



谷川失冠

 谷川失冠から二日。身内としては残念であるが、今回、シリーズを通して内容が今一つ だったと感じた。また、次、頑張ってほしいというしかない。佐藤新名人は特に最終局は 良く指したと思う。

 さて、がっかりしていても仕方がない。弟は弟、私は私だ。幸いというか、今日は、将 棋の大会がある。気持ちよく勝って、気分を入れ替えたいものだ。

アマレンの夢

 今日の大会はアマレン(日本アマチュア将棋連盟)交流の、関東県別対抗団体戦。
 関東ブロック6県(群馬、栃木、埼玉、千葉、茨城、神奈川)に在住するアマレン会員の、親睦と交流を図るための3名一組の団体戦である。アマレン幹事と、各県のレーティング上位2名から選抜される。

 アマレンは今、会員1万人を目指して頑張っている。ビッグな夢だが、少しずつ実現へ向けて前進していきたいものだ。

神奈川チームはリコーチーム

 さて、神奈川幹事の私。
 いつもは神奈川の将棋大会でレーティング上位者に声をかけるのだが、今回はうっかり忘れてしまった。仕方ないので、連絡しやすい社内にメンバを求める。
 神奈川チームはリコーチームとなった。選ばれたのは牧野正紀君と山田洋次君。もちろん二人ともレーティング上位の強豪である。
 もっともこの大会、前々回は横山アマ竜王(その他沢山)と鈴木朝日アマ名人(その他沢山)、前回は渡辺アマ名人(その他沢山)と西山支部名人(その他沢山)とチームを組んだが優勝できなかった。油断はできない。

謎のマドンナ登場

 会場のある南浦和に着く。前回と場所が変わっていて、ちょっと焦ってしまった。今日は梅雨の中休み。暑くなりそうだ。
 世話役の内山さんに聞くと、今回は群馬、千葉、茨城が不参加とか。今まで全部揃ったことはない。集まるのが大変とは思うが、残念なことではある。

 さて、先に来ていた牧野と談笑していると、山田が黒のミニスカートを身にまとった、可愛いガールフレンドを連れて入ってきた。この時点ではちゃんと紹介してくれなかったので、謎のマドンナとしておこう。
 よく判らないが、我々の敵ではなさそうだ。四人で戦える。これは大きい。今日はいけそうだ。

一回戦:羽生棋友会

「はぶ」ではない。「はにゅう」棋友会である。活動状況などよく見る名前だ。
 私の相手は全国三位の実績を持つ浅井千晶氏。牧野によると、「大物食い」とのこと。そうすると、私は・・大丈夫なのか? 局面は浅井氏の「ゴキゲン流中飛車」に進む。
 この辺で謎のマドンナが対局者にお茶のサービスをしてくれた。
 あっ、三将山田じゃ、彼女には対局姿が見えないなあ。次は入れ替えなくっちゃと思った。

 牧野は藤井システム。山田は凝った序盤から相居飛車で作戦勝ちのようだ。
若手中心だけに、この対戦がポイントと思っていたが、3−0と順調なスタートをきった。

二回戦:栃木

 大ベテランの成木清麿氏率いる栃木チーム。
 レーティング大会の代表を送り込んでいるだけに油断がならない。内山さんも私の十八番の角換り棒銀を受けて立ってきた。山田は振飛車穴熊、牧野は対振の力戦となった。

 私の将棋は昔、週刊将棋で、佐藤新名人(当時五段)と指したのと同じように進む。その時長考して読み切ったはずの一直線の変化。佐藤さんも踏み込んでこなかったのに成木さんは踏み込んできた。おかしい。うまく寄らないのである。こちらは詰みはないが、一手すくと終わりだ。負けを覚悟した瞬間、成木さんの受け損じが出て、勝ちを拾う。

 山田も、穴熊(金二枚不動だが・・)にものを言わせてチームの勝ちを決めた。

 残る牧野は相変わらず長い将棋。優勢だったが、変なタイミングで端攻めが出る。「お〜い、この局面で悪魔の一着は駄目だよ」思わず、私の心の中のつぶやきが・・。結局逆転負けとなる。感想戦ではいっぱい勝ちがあり、牧野はたくさん反省してました。

三回戦:埼玉

 埼玉県アマ戦代表の渡辺久記氏を擁し、嫌な相手だ。
 ただ、優勝へあと1勝と楽になったことと、渡辺×山田戦を見たいこともあり、席順を入れ替える。

 私は今大会の世話役でもある内山治久氏との対戦。アマ連関東ブロックの理事である。また、本大会会場となった南浦和駅前囲碁将棋チェスクラブの席主でもある。上記の3種競技大会を企画するなど、普及に賭ける情熱には頭が下がる。
 これに、中国象棋、麻雀、オセロ、連珠(五目並べ)、モノポリー、バックギャモン、百人一首を加えれば室内十種競技となるが、果たして参加する人がいるだろうか?

私は内山氏の老練な指し回しに、作戦負けっぽい持久戦。ただ、隣の牧野が立石流から快調な攻めを見せている。山田も角換り腰掛銀と、芸域の広さを見せている。
そんな中、牧野が決勝ゴールを決めた。ほどなく、山田、谷川と勝ち、嬉しい全勝優勝となった。優勝の賞状をもらうのは久しぶりだ。山田の活躍も頼もしい。準優勝は混戦となったが、羽生棋友会が滑り込んだ。




この美酒をもう一度

 南浦和西口駅前は、意外にお店が少ない。ほぼ絶対手で、とある飲み屋に直行する。嬉しいことに、謎のマドンナも一緒だ。四人で、「久しぶりのリコー優勝」に乾杯だ。やはり、勝った後のビールは美味い。

 謎のマドンナの正体を、そろそろ明かしてもらおう。彼女は吉野さんといって、山田君の大学(立命館)の後輩。今、六枚落を教わっているそうだから、リコーのマドンナの晶ちゃんといい勝負かも。ぜひ、機会があったら、合宿にも顔を見せてほしいもの。
 実は、昨夜、深夜バスで京都から上京し、明日は大事な試験があるというのに、わざわざ応援に来てくれたらしい。「ありがとう」あらためて、吉野さんに乾杯である。

 勝った後の打ち上げはやはり盛り上がる。特に後輩を連れ、全勝で優勝に貢献した山田はいつもに増して朗らかだ。

 「三人一組の団体戦って新鮮ですね」

 「牧野さんの秒読みの1秒止めって芸術的ですね」

 「谷川さんの薄い将棋って好きなんですよ」

 彼は、立命館を率いて、結局惜しいところで全国では優勝できなかったので、今日の優勝の味は格別なのだろう。

 この美酒の味をもう一度・・・。

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