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イベント・レポート

第47期 都名人戦 予選

  〜先ずは1勝を目指して〜


日時:1998年1月25日(日)

場所:東京都庁第2庁舎1階

主催:近代将棋社

リポータ:西田文太郎 e-mail : nishida@cs.ricoh.co.jp

誘われて
予約の謎
顔見知り
自分の成績は
他の成績は


誘われて

 近代将棋誌に案内がでているのを見かけたけれど、ついそのまま忘れていた。
 椋木さんが今回は予約が必要ですよと教えてくれたので、近代将棋誌をひっく り返して、年賀状の残りでくじの当たっていないはがきを使って出した。つい でに、近将のホームページを見て、大会の案内をフォーラムに載せた。
 会場で見つけた、牧野さんと菊田さんは、このフォーラムの案内をみて、し かも申し込みがインターネットで手軽にできることが決め手になったそうだ。

予約の謎

 都庁で休日に開催する場合、入出がやっかいだ。まず、出入り口は、1カ所 しかないし、そこを案内するのも、たどり着くのも難しい。当日は、東京シテ イマラソンの出発地点が都庁だったこともあって、人が大勢いた。都庁の広場 に、仮設の簡易トイレが並び、衣類などの荷物を積んだトラックがたくさん止 まっている。会場の案内をする人の声がスピーカーからひっきりなしに聞こえ てくる。
 入り口が見つからずうろうろしていると、牧野さんに出会った。一緒にうろ うろする。そもそも、1階も2階も地上にあるので、どちらが1階なのかが分 かりにくい。ガラス戸に「2階**」と書いてあったので、下に降りて、首尾 良く1階の入り口を見つけた。テレビの聞き手を長年やっていたので、こちら にはおなじみの永井会長がポスターを貼りにでてきたところだった。そのせい か、ガードマンは特にチェックするでもなく通ることができた。
 何故予約が必要かは、入出門の時に、チェックする為なのだ。私も、昼に一 度外にでて、帰ってくるときに、名前を確認された。
予約はそのためだけで、特に手合いがあらかじめ設定されているわけではな いようで、一人づつ、名前を呼ばれるいつもの風景になった。

顔見知り

 朝日アマとかアマ竜王戦といったいわゆる全国大会ではないので、あまり強 豪は集まらないと思っていたけれど、結構見知った顔や名前がぞろぞろしてい る。リコーからは、他に、藤森保さんがきている。「あれ、息子さんは」と聞 くと、「まだちょっと」という。哲也くんが“まだちょっと”なら、私は“ず っとちょっと”だ。でも、私の目標は、せめて、1勝だからいいのだ。
 しゃきしゃきのマドンナこと、小野三枝子さんが黒い帽子を粋にかぶってき ている。知り合いの強豪に出会うと、「お、2枚落ちか」などといわれると笑 う。私とは、宿命のライバルで、1勝1敗の五分の星。でも内容は、2局とも、 完敗なのだ。だから、小野さんの場合は、内容のことは早く忘れて、星だけを 覚えるようにしている。
 「英春流」で有名な鈴木英春さんの顔も見える。丁度、我が菊田さんとの終 盤で、投了を告げている。
 樋田さんも、一応真剣そうに指しているけど、予選じゃ力が入らないだろう。 菊田さんも、初戦、序盤でぽろっと銀得して、温泉気分で指していたら終盤ひ どいことになっていて、相手が間違えてくれたので勝ったと言っていた。
 他に、小学生と、かわいいレデイーが指していた。かなり強い。あの人たち も予選を通過するのかもしれない。
 学生では、細川さんや下山さんの顔が見えた。細川さんは、終盤逆転して気 持ちのいい即詰めに行ったら、するりと玉がすり抜ける読み抜けがあって、再 逆転していた。石井さんという名前が聞こえたのは、東海大の有名人だろうか。

自分の成績は

 残念ながら、あっさり二つ負けてしまった。今日は我がパートナーに早く帰 ると約束しているので仕方がない。でも、二つ負けた人のために、主催者がミ ニトーナメントをやるという。早く負けた順に、8人ずつ区切って、トーナメ ントをやるらしい。
 私は、早かったので、Aクラス? よく考えてみると、今年駒を握るのは初 めてだ。もう少し練習してくればよいのに、なかなか時間を作れない。ミニト ーナメントの1回戦は、有利になったので楽勝かと思っていたら、王手馬取り を食らってしまい、20分切れ負けのルールにおすがりして、汚い切れ勝ちに してしまった。菊田さんには「あんなの、詰ませてくださいよ」といわれた。
 でもこれはまだ内容も勝っていたと思う。次のは、逆転に次ぐ逆転で、最後 はどうしようもなくなっていたが、これも意地汚く時間切れの勝ちにしてしま った。谷川さんには見せられない。団体戦でもないし、潔く投了すべきだった かと少し、反省するけれど、ルールだから仕方が無いともちらっと思う。
 決勝戦は、だから、潔く投了した。大差だったな。 

他の成績は

 さすがに菊田さんは、4連勝で、あっさり通過。少しブラッシュアップをし ておいてもらわないとね。牧野さんは、1勝2敗で、「やっぱり新婚ぼけか」 と菊田さん。ミニトーナメントは、Cクラスで、決勝で、ぼろぼろになってい た。牧野さんの負けるときの局面は、すさまじさと、滑稽さが漂っている。
 宿命のライバルの小野さんは、予選を通過できなかったそうだ。トーナメン トで会いましょうと誘われたけれど、クラスが違ったようだ。私と当たりたけ れば、もっとさっさと負けないと。また、こんどね。
 あとの結果は、分からないまま会場をあとにして、隣のNSビルに、上った。

 NSビルの展望台から見えた夕日に浮かぶ富士山がきれいだった。そうだ、 きょうは、赤富士を見に来たのだと思えば口惜しくもなんともない。

 この口惜しさは、来週決勝で、菊田さんがはらしてくれる。

 (記:98年1月26日)(改:1.27強豪)

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