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イベント・レポート

第8回 社会人団体将棋リーグ戦 第1日

リポータ:西田文太郎 e-mail : nishida@cs.ricoh.co.jp

●開催日 :97年6月8日(日)

●開催場所:東京 田町 長谷工体育館



【始球式】
 梅雨入り前のすがすがしいお天気。JR田町駅から、ぞろぞろと歩く人達に駅のホームで出会った吉中さんと私も紛れ込む。
 緑の映えるプラタナスの街路樹と、紅いツツジの沿道を長谷工体育館に向かう。
 途中フェアリープリンセスのしゃきしゃきのマドンナこと小野さんや、微笑みのマドンナこと池上さん達を追い越す。
 アイドルを招いての始球式はなかったけれど、運営委員の人達の話を聞きながら、今年もリーグ戦が始まった、と微かに緊張感が走る。
 今年は、1軍は優勝を2軍は昇級を狙っている。昨年よりも6チーム増えて98チームになった。



【4部リーグ初戦】
 初戦は、フェアリープリンセス(2)だ。今年は吉中方針で、最新のレーテイング順にならぶ。大将ライエル、副将椋木、以下田中、西田、樋口、庭野、岡田。
 リコー奇数先手となり、私は後手番。相横歩取り模様に進むが、角を3三に一つ上がったら、いきなり同飛成りと来られて2枚角。上品そうな貴婦人なのに指し手は過激だ。やむなくこちらも飛車を角と差し違える。直後の飛車の打ち込みを軽視していて、いっぺんにおかしくなった。朝のうちは調子が出ないとか、横歩取りもっと勉強しとくんだったとか、くだらないことばかり頭をよぎる。30分、30秒の時計は、見る見る減っていく。3将の令夫人は「あら、間違えちゃった」と屈託がない。5将の樋口さんも追い込んでいる。
 ありゃりゃ、貴重な敗戦をここで記録するのかと暗い気持ちになる。
 仕方がないから、とられる桂馬を跳ね出して、何とか勝負に持ち込もうとする。玉頭に綾を付けて、無理矢理ミスを誘って、奇跡的に逆転した。隣の田中さんはもう、3番くらい練習将棋を指していた。かの令夫人は「おかしいわね、普段はもっと強いのよ」とおっしゃる。
 2軍は、みんな似たような棋力で、昨年のこの大会の成績もほぼ1500点台に全員がひしめいている。さすがに初戦は全勝だった。


【4部リーグ2回戦】
 お昼のお弁当を食べる頃には、冷房がよく利いて、寒い。外に出てみると、気持ちのいい温度だ。
 食後の相手は浦和チーム。初戦と同じメンバーでのぞむ。私は、四間飛車に対して、居飛車穴グマにした。個人戦だと穴グマはあまりやらないようにしているが、どうも団体戦だと穴グマにしたくなるのは、変な心理だ。ところがまずいことにあいても穴グマにしてきた。実は相穴グマは嫌なのだ。
 仕掛けの分かれは、角対銀とと金の交換でちっともよくなかった。苦しんでいるうちに相手があまりの形勢の開きに、と金を寄せて、いわゆる「ゼ」になった。捨て身の金捨てから食いついて、更に相手のミスがあって、なんと勝ってしまった。
 チームは、田中さんと庭野さんと3勝止まりだ。早くも昇級に黄信号が点滅を始めた。


【1部リーグ】
 佐々木さんが仙台から銀座へ転勤で復帰。強化練習のS研を開いて、今年の1軍はちょっと違うぞ。
 谷川主将と浜下さんが都合で参加できないが、名田さんも仕事の合間を駆けつけて初戦は翔風館、4勝3敗。続く、東大は昨年の覇者。しかし樋田さんを欠いて元気なく、リコーが5勝をあげた。更に若駒に6勝と好成績で初日を終えた。菊田、瀬良、南と3連勝、新人の豊島君も2勝をあげさいさきよい。
 蒲田将棋クラブが3連勝で勝数17とトップ、リコーが勝数15で2位に付けた。オール稲棋会が総動員令を布いたとかで気合い充分、古作さんも引っぱり出して、3位に付けている。
 1部リーグの上位陣はどこが勝ってもおかしくない強豪揃い、次回はアマの地方大会と重なるとかで、どんな展開になるかみものだ。
 クロアチアに行くという菊田さんは「社団戦優先です」と次回の出場を笑って約束。アマ名人戦か何かのシード権を振って、美しい眞智子奧様との良い旅を計画しているようだ。つまり、クロアチア行きの日程とアマ大会の決勝日程が重なっているので仕方なく社団戦に出るということだ。


【4部リーグ3回戦】
 長谷工チーム相手で、小林、吉中が入る。私は、またも穴グマにした。終盤何度かひっくり返ったが、最後詰みを見送り詰めろをかけたら、当然のように詰まされてしまった。結構格好良い詰め手順を見つけていただけに残念。チームは5勝をあげた。


【4部リーグ4回戦】
 負け抜けらしく、私は見学に追放される。新宿「ザ・将棋」の白磁のマドンナが白のツーピースで会場に来ていた。「私はこんなところで何をやっているんだろう」と笑う笑顔が美しい。
 小林君は入玉出来るかどうかの局面から、旨く入り込んだ。ライエルさんは、しっかり入玉したものの、敵もきっちり入玉してしまい、点数も27点の同点で、大会規定で先手ライエルさんの負け。でもチームは5勝。田中さんが4連勝、椋木、庭野さんが3勝と好成績だった。
 チーム成績は3勝1敗とやや不満だが、今後に期待のもてる展開なので、次回まで少しでも上達してのぞみたいものだ。


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