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イベント・レポート

 第37期王位戦インターネット速報


 話の始まり
 どうやって、速報を実現したか
 王位戦第4局
 第5局の話の始まり
 王位戦第5局
 アクセス状況
 読者として
 終わりに
          リポータ:小川博義 e-mail : ogawa@toda.ricoh.co.jp

話の始まり

 96年7月30日、将棋のページに、
西日本新聞社の方から、第37期王位戦第4局をインターネットで速報したいので、将棋部の協力を得たい旨のメールがポストされた。

 話の内容は、現状、リコー将棋部で提供している棋譜鑑賞のページをそのまま利用し、速報を実現したいと言うものだ。この内容で有れば、当方の負荷はたいしたことはない。
 また、インターネット上で、タイトル戦七番勝負が見れると言うことは、有る意味で、画期的なことなので、喜んで協力する旨を伝えた。

 ページの構成としては、西日本新聞 山下さんより、以下の提案が有った。
最新の盤面のページ
対局中の現在の盤面の再現をできる限り、リアルタイムに実現。
棋譜・解説のページ
現在までの指し手、及び、対局終了後、棋譜の解説を掲載。
写真グラフ特集のページ
前夜祭、対局初日、対局二日目の様子をデジタルカメラで撮影し、このページへ順次掲載する。
新聞の特集記事のページ
当日まで新聞記事の掲載。
 さらに、当方としては、以下の提案をし、快諾を頂いた。
英語版の最新盤面、棋譜解説のページ作成
広報活動の提案
週間将棋へPR文の掲載
国内将棋メールリストへの広報
海外将棋メールリストへの広報
NIFTYサーブ・将棋フォーラムへの広報
 特に、英語版のページ作成は、海外の方にとっては、将棋の七番勝負の棋譜ですら入手が難しいなか、インターネットが利用できれば、海外在住の方でも、速報に近い形で、勝負の行く末を楽しむことができる画期的なイベントにしあげることができ、意義があることだと思う。


どうやって、速報を実現したか

 今回の焦点は、如何に素早く最新の盤面を更新できるかである。
 最新の盤面のページ更新の手順としては
山下さんが、対局場より記録係の指し手を持参のPCに入力し、それを電子メールで、小川宛に送る。
電子メールの送信形式は、以下のとおり。

以下の例は、指し手24手目から28手目までの送信例
From: ns-press@fat.coara.or.jp
Date: Mon, 19 Aug 96 14:57:23 0900
MIME-Version: 1.0
To: ogawa@toda.ricoh.co.jp
Subject: 24-28

24:△42銀(40)
25:▲77桂(19)
26:△41玉
27:▲48玉(3)
28:△64歩(1)
受信したメールに従い、最新の盤面、棋譜解説のページを作成する。
報告者の環境はMacintoshなので、ApplescriptでHTMLを作成するスクリプトを記述した。
このスクリプトは、棋譜鑑賞のHTMLを生成するスクリプトを修正したものである。
1回の作業から生成されるファイルは、
    最新の盤面
    棋譜解説
    個々の局面(上の例では、5個のファイルが生成される)
であり、さらに、これと同数の英語版のファイルを生成する。
つまり、上の例だと、都合、14個のHTMLファイルが生成される。

作成したHTMLファイルを、ftpにて、西日本新聞のWWWサーバーへ転送。
 更新に要した時間は、例えば、上の5手分の更新では、HTML作成(5分)、ファイル転送(3分)に8分程度を要した。
 総じて、1時間に10分程度の仕事が発生した。


王位戦第4局

 第4局の対局日は、リコーの夏休み明けの19日、20日である。当方の準備作業としては、主に、将棋のページで利用している棋譜鑑賞のスクリプトの修正のみであるが、、、
 最終的に、スクリプトが完成したのは、19日の午前8時30分、、、いつもながら、きわどい仕事をしている。 あとは、バグがでないことを祈るだけ。。。

 今回、指し手の送信は、成りゆきにまかせ、つまり、記録係の方から記者室に連絡がはいる指し手を、随時、山下さんが、当方あてにメールで送ることとした。
 ただ、最初の指し手なのだが、、、10時を過ぎても送られてこず、心配していたところ、いきなり、1手目から11手目までの指し手分がファックスで送られてきた。メールツールが不調なそうだ。(ただ、以降の指し手は、うまく、電子メール送信されてきた。)

 この指し手を基に、HTMLファイルを作成し、それを、リコーのインターネットサービスを利用して、ファイル転送したところ、、、夏休み明けで、リコーのみなさん、やたら、外へ行っているみたいで、十数個のファイルを送るのに、30分以上かかってしまった。
 そこで、急遽、当方が契約しているダイヤルアップIPサービスを利用してインターネットに接続し、ファイル転送をするように、切り替えることにした。
 こちらの方法だと、ファイル転送が、5分とかからない、、、リコーのネットワークの遅さを痛感する。。。(;_;)

 あとは、初日と言うこともあり、1時間に1回程度の更新作業となり、午後7時に終了となった。
 2日目も、夕方まで、1日目と同じペースですすんだ。

 『終盤に入り、両者時間が無くなり、指し手が早くなりそうです。』(18:44)、と言う旨のメールが入り、いよいよだと待機していた。

 局面は、解説が無いこともあり私には形勢が良く判らず、一日目から、深浦五段がうまくさせているように見え、この▲34銀の局面で、深浦五段が決め手をさがしているのかなぁ、と思っていた。
<  最後に、この様な楽しいイベントに参加させて頂く機会を与えていただいた、西日本新聞社、徳島新聞社の方々には、深く感謝します。 どうも、ありがとうございました。(^_^)



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深浦